『宇宙に行くことは地球を知ること 「宇宙新時代」を生きる』
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宇宙飛行士の野口聡一さんと、ミュージシャンの矢野顕子さんの対談を読みました!
3つの学びをまとめてみました
1)宇宙飛行士さんも弱さを抱えた人間だということ
今まで私は宇宙飛行士さんを、
「頭が良くて身体能力が高くて、おまけに人格も高くて、
要するに何でもできて完璧なスーパースターのような人物」
と思ってきました。
しかし、野口さんの経験談を読み、
宇宙飛行士さんも、国からの期待やプレッシャー、宇宙/死への恐怖に
押しつぶされそうになることもある
(野口さんは、同僚で友人の宇宙飛行士さん達を、アクシデントで亡くしています)
宇宙旅行という壮大な目標を達成した後は、「燃え尽き症候群」になる
可能性を抱えていること(その意味ではオリンピックに出場するアスリートとも非常に似ている)
…などの事実を知りました。
日本では憧れの花形の職業の宇宙飛行士。しかしアメリカでは
「公務員並みの給料しかもらえないのに、何でそんな危険で大変な仕事をするの?」
という意見も強く、宇宙飛行を終えた後で転職する人も多い、というのも驚きました。
2.芸術家の見る宇宙
矢野顕子さんの「春咲小紅」、私も大好きです
矢野さんの夢は宇宙旅行無重力状態への適応に備えて、水泳教室にも通っているという
素敵なミュージシャンです。
彼女は宇宙に関する深い知識をお持ちで驚かされますが、知識だけでなく、
深い感性で宇宙を考えていらっしゃるのだなぁ…と目からウロコが落ちます。
例えば矢野さんは
「宇宙では、音がないのですよね?どんな感覚なのでしょうか?」
(※この疑問は、自分は全く抱きませんでしたさすがミュージシャン)
「将来、宇宙からコンサートをすることが夢ですが、その場合ISSでメイクを
どうしようか考えてしまいまして…」
…と、想像が具体的です
前澤社長が2023年の月旅行に「芸術家を連れていって、新しいアートに貢献したい」
と言った理由が、納得できました(さすが前澤さん)
3)民間宇宙飛行に賭けた夢
3回も宇宙旅行を達成した野口さん。
本当は2回目で、宇宙飛行士を引退しようと思ったそうですが、
3回目の挑戦を決意したのは「イーロン・マスクの民間宇宙飛行への夢に、
自分も関わりたかったから」。
宇宙飛行士のような専門家だけでなく、もっと多くの人に宇宙に行ってほしい…
…そんな素晴らしい未来を描いて、彼はクルードラゴンに夢を賭けたと話してくださいました。
ISSからリアルタイムで写真をとって、ツイッターに投稿し始めた初の宇宙飛行士が
野口さんだったそうです。
(それまでは、NASAの専門家がじっくり選んだ写真を、後日HPから投稿していたとのこと)
小学生にも分かるような平易な言葉で、宇宙の動画を80本も
You Tubeに投稿してくださった野口さん。
彼のお人柄は、「宇宙旅行の素晴らしさを、みんなと共有したい!」という
温かい想いから来ていることが感じられました。
宇宙飛行に関する本は今までも数冊読んできましたが(若田さんのドキュメンタリーなども面白かったです)、
この本はとても印象に残って、付箋だらけです。
とても素敵な本なので、みなさんもぜひ読んでみて下さい。