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『コロナ後の世界を語る 現代の知性達の視線』
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各界で活躍する知識人が、アフターコロナの世界について考察したインタビュー集を読んだので、紹介します。

ブレイディ・みかこさんの章で、印象に残ったエピソードがあります。
ベストセラー『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者として知られる、みかこさん。

この本にも出てくる、イギリスの中学校に通う彼女の息子さんが、
ある日学校ですれ違いざまに、同級生に「学校にコロナを広めるな」と言われ、絶句してしまったそうです。
(コロナウィルス=中国人が広めたもの、という偏見が、ヨーロッパに蔓延っていることを表しています)

ところが、その同級生は後で「さっきはひどいことを言ってごめん」と謝りに来ました。
息子さんはこの出来事を振り返り、こう言います。
「謝られた時、あの場で何も言わなかった僕にも偏見があったと気づいた。
(中略)その子、自閉症なんだ。だから、彼に話してもわかってもらえないだろうと、
心のどこかで決めつけていたんじゃないかと思う」
【引用ここまで】

この息子さんが聡明で人柄が素晴らしいことは、
『ぼくはホワイトでイエローでちょっとブルー』にもよく描かれていますが、
今回のこのエピソードにも考えさせられました。


昨年はコロナと同等に、人種差別についても考えさせられた一年でした。
私も自分の英語塾で、小・中・高生に人種差別についてのニュース記事を紹介し、意見を語ってもらったりします。

人種差別は愚かで許されないことだ、と誰もが分かっていますが、
自分の中にも、偏見や差別感情があるのではないか?・・・と気付かされます。

この息子さんのように、差別的な言葉をぶつけられて感情的になるのではなく、
「なぜ彼は、このような言葉を言うのだろうか?」
と彼の立場になって考え(英語では”think in their shoes”…と言いますね)、
身の回りの全ての出来事から学びを見つける…そんな冷静さとしたたかさを、
自分は持てるだろうか?と自問自答し、
いや、「持てるだろうか?」じゃなくて、持てるようにステップアップしなければならない!!
と、自分の背中をどやしました。

この他、政治学者の中島岳史教授の
「メルケルさんやクオモ知事は、自分の弱さを正直にさらけ出し、国民に向かってスピーチした。
だから信頼された。安倍首相は原稿を読んで目線を合わせず、ポーカーフェイスを貫いたので、
何を考えているか分からず、国民に信頼されなかった」
…の指摘も、なるほどと思いました。

そして、トランプ大統領について触れた人が全員、トランプさんを批判していたことも印象的でした。