先週の高校生用のニュース教材で、アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画”Nomadland”を取り上げました。
この映画を見た、私の英語塾の生徒さん(社会人の方)は、
「日本人だったら、ノマド生活をせざるを得なくなったら、愚痴や弱音を言って自分を憐れむのかもしれない。
アメリカ人は、過酷なノマド生活をしていても、不平も言わず、吹っ切れた感じがして実に清々しい。国民性だろうか…?」
と、おっしゃっていました。
私はそういう観点では見なかったので、鋭い指摘だと唸ってしまいました。
本書はその原作ドキュメンタリー。
映画に描かれた世界観の背景が、さらに深く分かったので、
この本を読んで、とても良かったです。
映画が好きな人には、本もお薦めします!
『ノマド: 漂流する高齢労働者たち』
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私は映画を見てから本を読みました。
映画を見た時に心に浮かんだ疑問が、本を読んで解決しました。
例えば、映画を見終わった後の私の疑問の1つ:
「この映画に描かれた、”workamper”と呼ばれるノマド(キャンピングカーに寝泊まりして、季節労働をしながら全米を旅する人達)は、なぜ白人ばかりなの?有色人種はいないの?
アメリカは他人種国家なのに、おかしい。監督は中国人だし、配役にwhite washingが行われていることはあり得ない。何か理由があるの?」
…でした。(この疑問は、その日の夜に夫にも話しました)
ニュースをきちんと見ている人は、こんなことは少し考えればすぐに分かるのでしょうが、私は思考が足りず、
本を読んだお蔭で解決しました。
本には、
「白人のワーキャンパーでさえ、警察や警備員などから白い目で見られる。ましてや、有色人種が快く扱われるはずがない。この無実の黒人でさえ射殺されるアメリカという国では…。」
と、説明されていました。
考えてみれば、2008年のサブプライムローン危機の時、
値段の高い家を買うために高いローンを組み、デフォルトに陥った人達は、9割方が白人だったのでしょう。
(人種差別のため、有色人種の国民は、家を売ってもらえなかったのだと思います)