池江璃花子ちゃんが私の生徒に教えてくれたこと

池江璃花子さんの復帰のニュースをテレビで見ながら、約1年半前の教室での出来事を、思い出していました。
彼女が白血病を克服し、東京五輪への出場が内定されたニュースは、欧米のメディアでも大きく紹介されています。
こちらはBBCの記事です。
https://www.bbc.com/sport/swimming/56630692

2019年12月、小学校の高学年の英語クラスでのことです。

6年生のRちゃんが、ニコニコして言いました。
「先生!みんな!今日は良いニュースがあるわよ。
池江璃花子ちゃんが、退院したのよ!」

クラスメート達は「え?え?何のこと?」と興味深そうに聞き返しました。

すると、Rちゃんは…
「ほら、私たち今年の初めに、英語ニュースの授業で由紀先生から習ったじゃない?
白血病で入院した、水泳の選手がいたの」
「あ〜〜!わかった!」

生徒さん達は、ニュースプリントを綴じているファイルを開いて、プリントを探し始めました。
「あった!これね!」

見ると、クラス全員が「池江璃花子選手、白血病で入院」のニュースプリントを、
ちゃんとファイリングして、取っておいてくれたのです。

「このニュースの感想を書いてください」の欄には、多くの子が
「早く良くなってね」
”Get well soon”
と書いていました。

「やった~!りかこちゃん、元気になったんだね!良かったぁ」
「それって、クリスマスに嬉しいニュースだね!」
笑顔で手を取り合って、喜び合う子供達…。

それを見て、私は本当に嬉しくて、涙が出そうでした。

10カ月以上前に授業で習ったことを、Rちゃんは覚えていてくれました。
それが心の中にずっとあったから、池江璃花子さんの退院のニュースをテレビで見たのが嬉しくて、
教室で皆に発表してくれたのだと思います。
普段の授業中、どちらかというと物静かで勉強に集中するタイプのRちゃんが、
初めて手を挙げてみんなに発表してくれたのが、そんな素晴らしいニュースでした。

英語ニュースの授業を通して、社会問題に興味を持つことは大切です。
自分から情報を取りに行く主体性、知恵が身につくことも、意義があると思います。

そうして成長している子供たちの姿を見るのは、本当に嬉しかったですが・・・

病気の人を思いやったり、他の人の幸せを自分のことのように喜ぶ優しい心も、
子供たちの心のなかで、どんどん大きく育っていたのです。

池江璃花子さんもまた、自分が白血病になった時、
病気に苦しむ他の人達に対する気遣いの気持ちも表現できる、素晴らしい人だと思っていました。
瑠花子ちゃんのニュースは、私のニュース教材でも取り上げたいと思います。

Japanese swimmer Rikako Ikee has qualified for the Tokyo Olympics two years
after being diagnosed with leukaemia.
池江璃花子選手、白血病と診断されて2年。
日本選手権で優勝、東京五輪代表入り内定
https://www.bbc.com/sport/swimming/56630692