孫娘と祖母で、人生を入れ替えたら?
“The Switch” Beth O’Leary
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話題のイギリスの作家Beth O’Learyの第二作を読み終えました。
(※私は第一作は未読です)
タイトルが示す通り、Londonに住むバリキャリ女子Leenaと、
田舎町(Yorkshire)で暮らすおばあちゃんのEileenが、
ひょんなことから2ヶ月間だけお互いの生活を「交換する」(=switch)
…という物語です。
会社では、仕事が出来るキャリアレディのLeenaは、
田舎町で、町内会のお年寄りの方々をまとめるため悪戦苦闘…。
持ち前の明るさで、少しずつ周りの信頼と応援を勝ち取っていきます。
夫が浮気で出ていって以来、シングルの祖母のEileenは、
都会ロンドンに出てきて、オンライン婚活やデートをスタート。
住んでいるフラットで、お年寄りのクラブ活動を起動させます。
二人が新しい環境で、新しいことに挑戦し、
これまでになかった出会いを通して、幸せをつかんでいく…。
素敵な物語でした。
人生100年時代と言われる現代、
Eileenのように、79歳になってからも青春を謳歌する生き方は
素敵だなぁ…と思います。
この小説では、20代と70代が世代を超えて友達になっているところが、
特に印象に残りました。
79歳のEileenが、孫の友達のBeeとカフェでコーヒーをのみながら
「最近、良い男がいないのよねぇ~」
と、二人でため息をつく場面を読み(笑)
こんな風に年の離れた人達がお互いをファーストネームで呼びあい、
世代を超えてガールトークできるのは、素敵なことだと思いました。
最後に、印象に残ってノートに書き写した英語表現を紹介します。
Leenaは田舎町で、Betsyという初老の女性に出会います。
Betsyは優しくてエレガントな女性でしたが、夫のDVに苦しんでおり、
村の人々は、彼女を心配していました。
May Dayのお祭りのある日のこと。
Betsyは、ついにDV夫に「私の家からさっさと出ていきなさい!」と
憤りながら叫びます。
“I, deserve, better!!”
(私は、もっと大切に、扱われるべき存在よ!!)
これこそ、主人公のLeenaがBetsyに言い続けた
“You deserve better.”
の反映であり、
このたった3つの英単語に、長年DVに耐えてきたBetsyの思いが
集約されていました。
DV夫を追い出したBetsyは、皆から
“You are brave.”
“I’m proud of you.”
“I’m honored to be your friend.”
と、拍手喝采を受けます。
イギリスのYorkshire訛りの描写など、
少しよくわからない点もありましたが…
村のEasterのお祭りで、Leenaがバニーの格好をさせられて
卵を配る場面が出てきたり
(彼女はそんなファッション、恥ずかしいのですが、
子供達には大人気になります)
イギリスではメーデーを大々的にお祝いする、等といった
文化的なことも勉強になりました。